2015年10月29日木曜日

11/14温泉でグランクリュ! 試飲ワイン紹介

温泉でグランクリュ! 試飲ワイン

2015年11月14日17時半より 脇田温泉楠水閣にて

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赤ワイン

2009年は、日照りが多く、ブドウが良い熟成をした年です。こういう年は、若いときから楽しめるワインになります。これらのワインは今、中年の頃を迎えています・・・で問題は、これらのワインが良い熟成をしているかどうかです!?

今回私たちは、異なる生産者の2009年の赤ワイン3種類を比較します。これら3種類はどれもコート・ド・ニュイ、うち2つはジュヴレ・シャンベルタンで、かつ一つはグラン・クリュです。今回はブラインド試飲をお勧めします!ではこれら3つのワインをご紹介します。

マジ・シャンベルタン(グラン・クリュ)2009 ドメーヌ・ピエール・ネジョン[詳細]

ピエールの畑は、マジ・シャンベルタンの区画のうち斜面上部(オー)にあります。マジは、ジュヴレの中でも、地質学上大変特異な土壌です。ジュヴレのグラン・クリュとプルミエ・クリュの殆どは、クリノイド(ウミユリ)石灰岩土壌上にあるのですが、マジとラヴォーだけは違います。このことから、なぜこの2つの区画がかなり特別なワインを作るのか説明づけられるかもしれません。マジ上部は、基岩の上に、石が多く混じった大変薄い表土の土壌です。マジのワインはかなり特別な味わいで、言葉で説明するのは大変難しいのですが、敢えて言うなら大変繊細なタンニンと甘みのある特徴的なスパイスのアロマです。(マジの味わいは、良く作られたマジを試飲すれば一目瞭然です!)2009年のマジ上部のワインは期待大です。生産者ピエール・ネジョンのスタイルは、最上のタンニンを取り出すソフトな抽出で、まさに「最上中の最上」なのです。彼のこのスタイルは、上質のタンニンを多く作り出すグラン・クリュの区画に大変適しています。

ピエール・ネジョン(左)とヴァンサン・シュミット

ピエール・ネジョンとマジの畑(左奥上部)

ジュヴレ・シャンベルタン エヴォセル 2009 ドメーヌ・ルシアン・ボワイヨ・エ・フィス[詳細]

エヴォセルの区画はラヴォーの谷の北側、斜面中部に位置します。実は、ジュヴレ・シャンベルタン村の北にあるブロション村の中にあることもあってか、プルミエ・クリュに格付けされていませんが、土壌は、ジュヴレのグラン・クリュと同じクリノイド石灰岩土壌上です。ジュヴレを良く知る人たちの間では、エヴォセルはジュヴレ・シャンベルタンの中で最高のヴィラージュ(村名ワイン)として知られています。ドメーヌ・ルシアン・ボワイヨでワイン作りを行うピエール・ボワイヨのスタイルは、大変古典的で、上質の澱上で長い樽熟成を行い、力強いと同時にエレガントなワインを追求しています。

ピエール・ボワイヨ(2015年9月)

ル・シャピトル2009 アントワン・プティプレ(ウリーズ)[詳細]

ル・シャピトルはコート・ド・ニュイの最北端の区画で、ディジョンのすぐ南のシュノーヴ村にあります。地質学的アクシデントで特異な土壌が表れていて、ミュジニーと同じ、かのコンブランシェン石灰岩と同じ基岩なのです。この区画のクオリティーは長いこと知られており、特に19世紀のラヴァル博士の研究でも大変高く評価されています。ル・シャピトルは、一般的なジュヴレ村名ワインの区画よりもずっと上質で興味深いワインを産出していると私も思います。2週間前に私もこのワインを再度試飲する機会がありましたが、これこそ私の好きなブルゴーニュワインのあるべき姿だと言ってもよいと思います。このタイプのブルゴーニュ赤の本物のマジックワインに、私は2009年のワインの中では初めて出会いました。

本浜陽子とアントワン・プティプレ(右)

白ワイン

白ワインは、コルトン・グラン・クリュとプイィ・フュイッセを試飲します。プイィはボーヌのグラン・クリュと比較してどうでしょう?

コルトン・シャルルマーニュ(グラン・クリュ)2007 アントワン・プティプレ(ウリーズ)[詳細]

このワインの区画は、コルトンの山の東側の斜面上部にあります。このワインは力強く、典型的なミネラル感と、まるで「タンニン」のようなの味わい、コルトンのワインの黄金の色(酸化していません)。3年ほど前に何度が試飲しましたが、本当に納得のワインでした。さあ再度試飲の時です!

アントワン・プティプレ

プイィ・フュイッセ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2012 ドメーヌ・ピエール・ヴェシゴー[詳細]

フュイッセ村にある区画のブドウです。ワイン作りはブルゴーニュの伝統的スタイルで、アルコール発酵とマロラクティック発酵の2つの発酵と長い樽熟成を220リットルのブルゴーニュ式の木樽で行います。最近私たちは彼のワインを何度も試飲していますが、かなり力強く、複雑なアロマが正確に表現されています。ピエール・ヴェシゴーは、奥深いプイィ・フュイッセのワインを手ごろな価格に抑えて作りあげています。現在私たちのお客様の多くに大変好評いただいています。

ピエール・ヴェシゴー

2015年10月21日水曜日

美味しい渋み・タンニンについて

この時期になると、実家の母は庭の柿仕事に追われます。渋柿をせっせと剥いて麻紐に吊るして干し柿にしたり、焼酎に漬け込んで樽柿にしたり、などなど、田舎の山の恵みを満喫できるのも秋の楽しみです。

ところで、皆さんに渋みとは?と聞かれたら、渋柿の渋みを不味い渋み・タンニンとして挙げるとすぐ納得されるので、わたしも多用しがちだったのですが、最近ちょっとこの事で考えることがありました。


ある方が、「ブルゴーニュ(の赤ワイン)にタンニンは不要」という要旨をブログで仰られていました。
あれ?と私は思い、日本国内での色々な方のワインコメントなどをおさらいしてみました。
確かに、渋みやタンニンについては、タンニンがあることイコール欠点のような単純なコメント以外には、タンニンについて言及されているものを見ることは殆どありません。昨今の流行なのか、ワインの味わいはとても詩的に表現される方が多いのですが、そこに渋みを想像させるものはまずありません。
確かに日本では果物のブドウを食べるとき、皆皮を食べないものなあ。渋みは日本人は受け付けないのかしら??


ヴァンサンにもタンニンについて聞いてみました。
彼曰く、赤ワインというのは本質的にタンニンの品質(を楽しむもの)です。でなければ白ワインを飲んだほうがいい。赤ワインのテロワールの偉大さというのは、それが与えるタンニンの質と量を言うのです。タンニンの多少の例を挙げれば、サヴィニーはあまりタンニンがない、ジュヴレ・カスティエやポマールの南などはタンニンが多い、など区画(土壌と局所気候)によります。
けれど実際は、全房発酵で非常に弱い抽出のワインが昨今の流行である(だった)ことも本当です。タンニンが少ないのは、抽出できない悪いブドウが原因ということもあるそうです。

ところで、ヴァンサンはかれこれ約1年以上前から「ブラックチョコレート・キャンペーン」なるものを展開中です。サンバレンタインデーには、僕にはブラックチョコレートをください!という、これまた随分勝手な話ではありますが、ヴァンサンにとってチョコレートの味わいは、まさにこのカカオのタンニンなのです。上質なカカオの味わいは確かに美味。ミルクチョコレートのミルクは、カカオのタンニンを隠すお化粧でしかなく、それが更にスキムミルクパウダーみたいな安価な混ぜ物だと、全く本末転倒なわけです。

ヴァンサンはよく、ワインの抽出をコーヒーにたとえます。煮出したり、搾り出したようなコーヒーのタンニンは不味いけれど、美味しいところの美味しいものだけを引き出したものがコーヒーでもワインでも美味しい、といいます。フランス語では「crème de la crème」と言いますが、英語では、「best of the best」といった感じでしょうか。これはタンニンやワインだけには限らない表現ですが、赤ワインの場合、タンニンの抽出は最も重要な要素の一つで、美味しいブドウから美味しい部分だけを取り出すことが大切なのです。

緑茶もまた然り。渋みの無い色だけのお茶では、まったく美味しくないのはおそらく皆さんご同意いただけるのではと思います。ところが、同じ渋みでも、3度も4度も煮出したようなものや、熱湯またはぬる過ぎる白湯で入れたもの、抽出の時間や、しまいには黄色くなった緑茶や、茶葉が古かったりしても、風味や味わいが全く劣りますよね。
上質の茶葉で、適度な温度と時間で入れた緑茶の美味しさは誰でも納得いただけると思います。そんな渋みは、甘さにも通じるような、しっかり口の中で感じ、嫌味がいつまでも口に残ったりはしない、ビロードで撫でたような舌触りです。そしてタンニンは茶葉の種類や生産方法や地域ごとに本当に千差万別ですね。

このことはどれも、「ワイン」や「ブドウ」に言葉を入れ替えてもほぼ同じことです。私は、渋み、タンニンは日本人の持つ立派な味覚の要素の一つであり、渋みの良し悪しはきっと皆さんも感じることのできる素養があるはずだと考えています。そしてワインの中にも美味しいタンニンを是非感じて味わってほしいと思っています。
Yoko


2015年10月16日金曜日

本物のボジョレー! ドメーヌ・ジャナン・ペール・エ・フィス

【ニュース!】 ジャナンのムーラン・ア・ヴォンが
デキャンター誌トップ2013クリュ・ボジョレーに選ばれました!
トップ2013クリュ・ボジョレー赤 デキャンター誌
(ジャナンのムーラン・ア・ヴォンは左端)
ムーラン・ア・ヴォン レ・ヴィーニュ・デュ・トランブレィ2013
ドメーヌ・ポール・ジャナン・エ・フィス 
マスター・オブ・ワイン(MS)のJames Lawther のコメント「繊細な赤果実にミネラルの特徴。しっかりとしたストラクチャーのスタイル。明快な表現。飲み頃:2015~2020年。アルコール度:13度」

ドメーヌ・ポール・ジャナン・ェ・フィスは、ボジョレーの伝統的スタイルのワイン作りを親子に渡り継続し、昨今の流行にあわせたり、敢えて飲みやすくするような妥協は一切ありません。上質な本物のボジョレーを是非お楽しみください!
(赤)ムーラン・ア・ヴォン クロ・デュ・トランブレィ2013
4,500円(税込4,860円)
ボジョレーの上級ワイン、クリュ・ボジョレーの中でも最も上質で力強いワインのムーラン・ア・ヴォン。クロ・デュ・トランブレィはジャナンのトップ・キュヴェです。力強くて同時に繊細。この味わいでこの値段はありえません。

(赤)ボジョレー・ヴィラージュ レ・ヴィーニュ・デ・ジュモー 2013
2,630円(税込2,840円)
ガメイというより上質ピノを思わせる素晴らしいワインです!

この秋、是非飲んでいただきたい本物のボジョレー。ご注文・お問い合わせはヴァンファン本浜まで。




ヴァンサンのコメント:
ボジョレーにはいくつかの異なる流派がありますが、今回のデキャンター誌の選考に残ったワインは、どれも伝統的なボジョレー・ワインの昔からのスタイルのものばかりです。
ドメーヌ・ジャナンでは、ムーラン・ア・ヴォンは2種類あって、クロ・デュ・トランブレィとヴィーニュ・デュ・トランブレィがあり、「クロ」のほうが上級です。2013年のどちらのワインも試飲しましたが、「クロ」のほうが更に深みがあり、甘美なタンニンがありました。2014年はもっと暑い年です。13年のほうはバランスのよいブルゴーニュワインのような繊細さがある一方、14年はコート・デュ・ローヌの北側のような味わいです。