温泉でグランクリュ! 試飲ワイン
2015年11月14日17時半より 脇田温泉楠水閣にて
赤ワイン
2009年は、日照りが多く、ブドウが良い熟成をした年です。こういう年は、若いときから楽しめるワインになります。これらのワインは今、中年の頃を迎えています・・・で問題は、これらのワインが良い熟成をしているかどうかです!?
今回私たちは、異なる生産者の2009年の赤ワイン3種類を比較します。これら3種類はどれもコート・ド・ニュイ、うち2つはジュヴレ・シャンベルタンで、かつ一つはグラン・クリュです。今回は
ブラインド試飲をお勧めします!ではこれら3つのワインをご紹介します。
ピエールの畑は、マジ・シャンベルタンの区画のうち斜面上部(オー)にあります。マジは、ジュヴレの中でも、地質学上大変特異な土壌です。ジュヴレのグラン・クリュとプルミエ・クリュの殆どは、クリノイド(ウミユリ)石灰岩土壌上にあるのですが、マジとラヴォーだけは違います。このことから、なぜこの2つの区画がかなり特別なワインを作るのか説明づけられるかもしれません。マジ上部は、基岩の上に、石が多く混じった大変薄い表土の土壌です。マジのワインはかなり特別な味わいで、言葉で説明するのは大変難しいのですが、敢えて言うなら大変繊細なタンニンと甘みのある特徴的なスパイスのアロマです。(マジの味わいは、良く作られたマジを試飲すれば一目瞭然です!)2009年のマジ上部のワインは期待大です。生産者ピエール・ネジョンのスタイルは、最上のタンニンを取り出すソフトな抽出で、まさに「最上中の最上」なのです。彼のこのスタイルは、上質のタンニンを多く作り出すグラン・クリュの区画に大変適しています。
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ピエール・ネジョン(左)とヴァンサン・シュミット |
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ピエール・ネジョンとマジの畑(左奥上部) |
エヴォセルの区画はラヴォーの谷の北側、斜面中部に位置します。実は、ジュヴレ・シャンベルタン村の北にあるブロション村の中にあることもあってか、プルミエ・クリュに格付けされていませんが、土壌は、ジュヴレのグラン・クリュと同じクリノイド石灰岩土壌上です。ジュヴレを良く知る人たちの間では、エヴォセルはジュヴレ・シャンベルタンの中で最高のヴィラージュ(村名ワイン)として知られています。ドメーヌ・ルシアン・ボワイヨでワイン作りを行うピエール・ボワイヨのスタイルは、大変古典的で、上質の澱上で長い樽熟成を行い、力強いと同時にエレガントなワインを追求しています。
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ピエール・ボワイヨ(2015年9月) |
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ル・シャピトルはコート・ド・ニュイの最北端の区画で、ディジョンのすぐ南のシュノーヴ村にあります。地質学的アクシデントで特異な土壌が表れていて、ミュジニーと同じ、かのコンブランシェン石灰岩と同じ基岩なのです。この区画のクオリティーは長いこと知られており、特に19世紀のラヴァル博士の研究でも大変高く評価されています。ル・シャピトルは、一般的なジュヴレ村名ワインの区画よりもずっと上質で興味深いワインを産出していると私も思います。2週間前に私もこのワインを再度試飲する機会がありましたが、これこそ私の好きなブルゴーニュワインのあるべき姿だと言ってもよいと思います。このタイプのブルゴーニュ赤の本物のマジックワインに、私は2009年のワインの中では初めて出会いました。
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本浜陽子とアントワン・プティプレ(右) |
白ワイン
白ワインは、コルトン・グラン・クリュとプイィ・フュイッセを試飲します。プイィはボーヌのグラン・クリュと比較してどうでしょう?
このワインの区画は、コルトンの山の東側の斜面上部にあります。このワインは力強く、典型的なミネラル感と、まるで「タンニン」のようなの味わい、コルトンのワインの黄金の色(酸化していません)。3年ほど前に何度が試飲しましたが、本当に納得のワインでした。さあ再度試飲の時です!
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アントワン・プティプレ |
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フュイッセ村にある区画のブドウです。ワイン作りはブルゴーニュの伝統的スタイルで、アルコール発酵とマロラクティック発酵の2つの発酵と長い樽熟成を220リットルのブルゴーニュ式の木樽で行います。最近私たちは彼のワインを何度も試飲していますが、かなり力強く、複雑なアロマが正確に表現されています。ピエール・ヴェシゴーは、奥深いプイィ・フュイッセのワインを手ごろな価格に抑えて作りあげています。現在私たちのお客様の多くに大変好評いただいています。
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ピエール・ヴェシゴー |
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